はじめに
入札における失敗は、単に落札できなかったというだけでなく、「失格」や「無効」といった深刻な事態も含まれます。本記事では、実際によくある失敗パターンを紹介し、その対策を解説します。
失敗パターン1:提出期限の見落とし
よくあるケース
- 締切日を勘違い
- 締切時刻の見落とし(17:00ではなく15:00締切など)
- 時間ギリギリでの提出でシステムトラブル
対策
- カレンダーに必ず登録
- 1日前には提出完了
- 複数人でのダブルチェック
失敗パターン2:必要書類の不備
よくある不備
- 押印漏れ
- 書類の期限切れ(登記事項証明書は3ヶ月以内など)
- 指定様式と違う書式での提出
- 添付書類の不足
対策
- チェックリストの活用
- 書類の有効期限管理
- 提出前の第三者チェック
失敗パターン3:入札金額の記載ミス
よくあるミス
- 桁数間違い(100万円→1,000万円など)
- 税込・税抜の勘違い
- 円単位ではなく千円単位で記載
対策
- 入札書の複数回確認
- 読み上げ確認
- 電卓での再計算
失敗パターン4:参加資格要件の見落とし
確認不足の例
- 許可・ライセンスの範囲
- 実績要件の不足
- 技術者の資格要件
- 財務要件の未達成
対策
- 公告文の熟読
- 不明点は質問回答で確認
- 参加資格チェックシートの作成
失敗パターン5:入札保証金の納付ミス
よくあるミス
- 納付期限の見落とし
- 金額不足
- 振込先間違い
- 振込名義の間違い
対策
- 早めの振込手続き
- 振込明細の保管
- 金額・振込先の確認
失敗パターン6:技術提案書の評価不足
評価が低い理由
- 抽象的で具体性がない
- 評価項目と提案内容の不一致
- ページ数制限を守らない
- 読みにくいレイアウト
対策
- 評価基準の理解
- 具体的な数値・図表の活用
- 第三者によるレビュー
失敗パターン7:電子入札システムの操作ミス
よくあるトラブル
- ICカードのPINコード間違い
- 添付ファイルの容量オーバー
- 送信完了確認の見落とし
- ブラウザの設定不備
対策
- 事前のテスト環境での練習
- システムマニュアルの熟読
- 余裕を持った操作
失敗パターン8:共同企業体でのトラブル
よくある問題
- JV協定書の不備
- 分担割合の記載ミス
- 構成員の資格要件不足
- 代表者の権限不明確
対策
- JV協定書の雛形活用
- 弁護士・行政書士のチェック
- 事前の役割分担明確化
失敗パターン9:予定価格の読み間違い
よくある誤解
- 予定価格を上回る入札
- 最低制限価格を下回る入札
- 調査基準価格の誤認識
対策
- 過去の落札率分析
- 適正な積算
- 市場価格の把握
失敗パターン10:コンプライアンス違反
重大な違反例
- 虚偽の記載・申告
- 談合・囲い込み
- 下請け制限の違反
- 指名停止期間中の入札
対策
- コンプライアンス体制の構築
- 定期的な研修実施
- 内部監査の実施
まとめ
入札での失敗は、そのほとんどがケアレスミスや準備不足によるものです。本記事で紹介した失敗パターンを事前に把握し、チェックリストを活用することで、大半の失敗は回避できます。
「失敗は成功の母」といいますが、入札では回避できる失敗は確実に回避しましょう。